ⓔコラム15-20-1 子宮頸部上皮内腫瘍 (CIN) と子宮頸部上皮内病変 (SIL)

 CINは,上皮内の異型細胞の広がりと異型の程度によりCIN1,CIN2,CIN3に分類される.CIN1が従来の軽度異形成,CIN2が中等度異形成,CIN3が高度異形成と上皮内癌に相当する1).CIN1は自然消退することがほとんどだが (10年間で上皮内癌以上の累積発症率は2.8%),CIN3はその10~20%が浸潤癌へと進展する.2017年に改定された子宮頸癌取扱い規約ではCIN分類に加えてSIL分類が提唱されたが,臨床的な取扱いの混乱を防ぐため両者の併記を求めている.SILはhigh–grade SIL (HSIL) とlow–grade SIL (LSIL) とに分類される.細胞診判定と同じ表記なので混同しないよう注意が必要である.

〔青木大輔〕

■文献

  1. 日本産科婦人科学会,日本病理学会,他編:子宮頸癌取扱い規約 病理編 第4版,金原出版,2017.